代表挨拶 個人編

神衛代表
指導責任者
久島 俊樹 
Kushima,Toshiki

お伝えした事が沢山あるのですが、私の実力がどうであるか、これを読んでいらっしゃる皆様には重要な事ではないかと思います。

知られざる神衛、そして、その実力はベールに包まれた指導者。

うーむ、ダメか。

要は、私の人間性と合気道の実力、指導力などが、皆様の信頼にお応え出来るものかどうか、という事ですよね。それは言うのが難しいので、とりあえず私が道場運営の骨子としている事について、少し話をします。

私が養神館本部道場に見学に行ったのは恐らく1987年2月だったと思います。新宿区落合の高山ビルに養神館本部道場がありました。今の東京メトロ東西線の落合駅から歩いていくときに、高山ビルの横にはまだビルが建っていなかったので、早稲田通り(都道25号)から直接道場が見えた頃でした。

たまたま木曜日午後の稽古時間に道場に行く事になりましたが、それはちょうど塩田剛三館長の「館長稽古」の時間というタイミングでした。

早稲田通りまで受け身の「バーン」という音が聞こえてくるのですが、その際に、男性の
「わー!」
という叫び声まで聞こえてくるのです。それが、今も映像に残っている塩田剛三館長の弟子を投げるシーンです。

私は、その時に養神館に入門はしませんでした。自分の将来の方向に進むため、養神館に通う縁がなくなったのですが、どちらにせよ入門する気持ちにはなりませんでした。塩田剛三先生の強さは分かったのですが、その強さは合気道で培われたものではなく、元々強い人が合気道で強さをブラッシュアップさせたのだと、その時にはっきりと分かったからです。(だから自分も今やっている武道をある程度やってから、合気道は始めようと思いました。)

塩田剛三先生の受けを取っているお弟子さん達が、それを証明していました。強さのレベルが師弟で全く違う事が見てすぐに分かりました。

誤解を恐れず言いましょう。その時のお弟子さん達は、「合気道が大好きで、不思議な合気道の技に魅了されて楽しく生きている気のいい人達」という感じに私には見えてしまっていました。強くなりたくて合気道に取り組むのではなく、合気道の不思議な魅力に魅了されて社会から取り残されてしまったのではないか?という印象を当時の私は受けました。

塩田剛三先生は、自身が強くなった過程を弟子達に辿らせる事はしていないと思います。

塩田剛三先生にとっての合気道の実戦には暗闇の部分があるでしょう。特に戦時中の中国で現地の中国人ヤクザを締めあげた経験もある塩田剛三先生には、そうした記憶が根強く残っていらしたと想像出来ます。塩田剛三先生は合気道の暗闇の部分を抜き取り、合気道の明るさ楽しさだけを自分の研究の一環として、弟子達に見せたのだと私は考えています。

気のいい陽気な弟子達が、遊園地のジェットコースターに乗るかの如く悲鳴を上げながら楽し気に自身の受けを取って喜んでいる姿を見て、塩田剛三先生は、合気道はこれでいい、明るく楽しく取り組むのが合気道なんだ、とお考えになられたというのが、私の養神館合気道における基本的な捉え方となっています。

そこまで考えた上で、私は実戦対応訓練「戦技研」というクラスを神衛で行っています。

理由を言いましょう。

暴力と言う暗闇を照らす光が、実戦対応能力という力だと考えるからです。

塩田剛三先生は、自分の心の暗闇を照らす光としての合気道を示されたのだと伺い知れます。だから、それを尊重します。

人類が存続している限り、暗闇は必ず出てきます。自分や他の人に襲い掛かる暴力がそれです。しかし光が出てくるかは、私達の心のあり方次第です。

私達の心にも暗闇はあり「まずは自分の心の暗闇を照らす光を持てるようになる事」が最初のステップです。(それが塩田剛三先生が遺された養神館合気道の役割)
そして「暴力という社会の暗闇を照らす光として、実戦対応能力を養っていく事」を次のステップとして神衛では取り組んでいます。(戦技研の役割)

最初のステップは、例えばの話ですが、塩田剛三先生が仮面ライダー1号として戦ってくれた(養神館合気道を遺してくれた)という事です。
ならば、その後を継ぐのが養神館合気道を学ぶ私達じゃないですか。

主人公(仮面ライダー1号、塩田剛三先生)が力尽きそうなとき、主人公を助けにくるのは、その能力を踏襲しバージョンアップ(養神館合気道と戦技研)し、その魂を受け継ぐ者です。

自分を明るく照らす事が出来るようになったら、他の人も照らすような人になる事を目指して、私達と一緒に稽古をしませんか?

【駄文】

「夜明けの合氣道」は2000年代のはじめ頃に書いた駄文です。この時に、これを読んでくれた方から連絡があり、このまま残した方がいい、と言われましたので、とりあえず残しておきます。黒歴史です。

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