合気道はどれも同じではない
合気道は、どれも同じではありません。植芝盛平先生からの系譜を正しく守っている団体でも、大きな違いがあります。
現在は「養神館合気道」という合気道の一流派のような言い方をしていますが、塩田剛三先生は元々、一流派を成した意図はありませんでした。
合気道開祖である植芝盛平先生の合気道は、年齢とともに技も角が取れ、丸く円熟し流麗な動きになっていきます。塩田剛三先生は、植芝盛平先生がまだ角が取れない、固く荒々しい技をされていた頃に弟子として仕えていました。
養神館合気道は、その頃の合気道を受け継いだものと言ってよいでしょう。
塩田剛三先生が植芝盛平先生の元を離れてから、植芝盛平先生の技は丸く円熟した動きになっていったと述べましたが、その頃の技を受け継いだお弟子さんの合気道は、養神館合気道とは違うものになるのは当然です。つまりその違いは、植芝盛平先生に学んだ時期の違いによるもの、という事です。
植芝先生の固く荒々しい時代の技を受け継いだ(公財)養神会の養神館合気道と、植芝先生の後年の流麗な技を受け継いだ(公財)合気会の合気道では、同じ植芝盛平先生の合気道でありながら、合気道を知らない一般の人が見ても明らかに違いが分かります。
養神館合気道が実戦合気道と謳われた秘密は「構え」と基本動作があること
ここでは、養神館合気道の特徴を説明します。
養神館では、特に初心者のうちにおいて、「技は一度に流麗に動き切らず、動作を区切りながら力を発揮して行うもの」となっています。
・特に初心者において「止まる」「動く」を繰り返して練習します。
・「止まった時の姿勢」と「動く時の動き方」に着目した稽古を行います。
・「中心力」「固定力」「呼吸力」という力の養成を重視します。
そして特に養神館合気道の特徴は、「構え」と「基本動作」がある事にあらわれています。
構え


養神館合気道では、最初に「構え」という姿勢をとります。これは自分の中心線上に手足を揃え、そこに全身からの力を集中させています。
この「構え」は「養神館合気道の命そのもの」と言ってよい、大変に強い姿勢です。
構えは動きがなく、ただ止まっている姿勢に見えますが、とんでもありません。
養神館合気道の構えは、全身全霊をかけてとるものです。その形で立っているだけで、大変な稽古になります。
姿勢は心のあらわれです。強さが発揮される正しい姿勢をとろうとする事で、心も身体同様に鍛えられていきます。
また、「合気道とは」ページにおいて、相手が押しても引いてもこないで、ひたすら動かないので、相手の力を利用出来ない状況においても、養神館合気道なら対処出来る、と説明しました。その理由が「構え」にあります。
基本動作
基本動作の一つである「体(たい)の変更(二)」




上の画像は、前からくる相手の力を押し返す事をせず、自らの身体を回転して力を後方に流す動作、です。後の足が円の軌跡を描く円運動となります。




上の画像は「片手持ち四方投げ(二)」の動きの要点を示したものです。
画像1から画像2への動作において、上で説明した「体の変更(二)」が使われています。
同様に、画像2から画像3、そして、画像3から画像4、においても別の基本動作が使われています。
一見、複雑で難しく見えてしまう合気道の技を、養神館では基本動作に落とし込む事で、誰でも分かりやすく身に付けるようにしています。そして、その基本動作を繰り返し行う事で
・我流の動きに陥らない
・技が強力になる
・技の術理を深く理解出来る
・技を効率良く身に付ける事が出来る
という効果が得られます。
特に基本動作自体は、「行って、戻る」という2挙動の動作で構成されているので、合気道の技を全く知らない人でも、すぐに合気道の技の要点が分かるようになっています。
そして、基本動作を繰り返すだけで、技を行えば強い威力を発揮出来るようになっています。
これから合気道を学ばれようとしている方に、養神館合気道の入り口を簡単に説明をさせて頂きました。
養神館合気道に興味を持たれたら、千葉県の方であれば神衛に、そして全国の方はお近くの養神館の道場に入門して、この先の素晴らしい世界に足を踏み入れてみて下さい。