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あらすじの続き。
そして・・・
滝が「仮面ライダー・・・」と名乗るや、怪人の一団が滝に襲い掛かる。
滝はひるむことなく、さらに何と言うことか!!ショットガンを放り捨ててしまう。
最初に迫った怪人に「ライダーパンチ!!」と叫び、生身の人間のハンデを埋めるための炸裂器を握った右手で、相手を渾身の力で叩きつける。
「ギャーァ!!!!!」と悲鳴を上げ苦痛にのたうちまわる怪人。
次に迫った敵に対し、「ライダーキック!!」と飛び蹴りを放つが、滝の履くブーツの靴底には高圧電流を流すスタンガンのような装置が付けられている。
バチバチという電流の音に怪人の苦痛のうめき声はかき消され、辺りにきな臭さが漂い怪人たちは動揺する。
私は蹴られた怪人と同じ位しびれた。
自分がやりたかった事を全て滝にやられてしまった、という感じすらある。
焦りを覚えた敵のリーダーは、とうとう自ら滝に手を出した。
いとも簡単に滝の被る大きくドクロを描いた鉄仮面を割ってしまう。
滝の素顔が露呈するや、「ダギザン(滝さん)」と悲鳴のような声を上げた怪人が一人、群れの奥から飛び出すや顔を隠して外へ飛び出した。
逃げ行く怪人の背に滝は叫ぶ、「仮面ライダーも改造人間であったことを忘れるな!!」と。
滝のいいところは、ここで終わる。
この後、滝は怪人のリーダーに為す術もなくズダズダにされる。
生身の人間であることの弱さをこれでもか、と思い知らされることになる。
最後にとどめを刺される寸前に、滝は怪人のリーダーに胸倉を掴まれ高く吊るし上げられる。一矢も報いることも出来ず、身体をボロボロにされた滝は最後の力を振り絞り「チックショウ・・・」とだけ言う。血の涙がこぼれる・・・。
終わり。
人間であれば、限界もある。
正面きって戦えば、どうしても勝てない相手もいるであろう。
しかし戦い方などいくらでもあり、勝つために、また負けないために必要なことは、絶対有利な条件を自分で作り出すことである。
戦いは条件次第でどのようにでもなる。
例えば、相手が複数いれば、自ら階段を登り、追ってきた敵を次々に突き落として、落ちていく敵が階段の下にいる敵にぶつかるように仕向けることも、戦法として考えられる。
滝は自ら有利な条件で戦おうとは、敢えてしなかった。
自分が語る仮面ライダーの話を信じてくれた少年がいて、そしてその少年が危機に陥った。その少年に必要なのは、仮面ライダーのスピリッツだと滝は直感したから、自分に絶対不利である条件の場所に、そのスピリッツを体現しに出向いたのである。
合気道を学んで合気道を信じていた皆さんが、実際に犯罪に巻き込まれ被害を受けたとすれば、皆さんは合気道、または合気道を教えた私を、それでも信じられるであろうか。
そのような皆さんが、この物語に出てくる少年だとしたら、私はやはり滝がそうしたように、合気道のスピリッツを体現できる人間でなければいけないと強く実感したことが、この話を紹介した理由である。
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